建設業界はカオス!意識するべき元請けと下請けの5つの関係性
建設業界はおかしい、やばい、ブラックと聞くことはもはや当たり前。
わたしは、建設業界で設備関連の仕事を20年してます。
この20年で環境はだいぶ変わりましたが、変らないものがあります。
建設業界は『おかしい』ということは、今も20年前も変わってないということです。
おかしいことや、やばいこと、カオスなことが、今もどこかの現場で起きているのです。
そんな建設業界での『おかしい』ことや、『よくありがちな』ことを、下請け業者の体験談としてまとめてみました。
これから建設業界で働く人や、現在働いている人になにかしらの役に立てれば幸いです。
目次
ムチャな依頼は覚悟せよ!
ムチャな依頼ってなに?
あなたがムチャぶりじゃん!と思うことがムチャな依頼と思ってください。
例えば、
来週火曜日の10時、予定空いてますか?
はい!空いてます。
では、来週火曜日の10時に
○○市にある□□の現場で打合せお願いします。
はい!承知しました。
お互いの時間を考慮して打合せに日時を決めます。
いたって普通のこと。
これがムチャな依頼になると、
今日10時から打合せあるんだけど来れるか?
えッ!今日の10時からですか?
今、9時45分ですけど!
ゴメン!連絡するの忘れてた!
今から15分では行けませんし、
今日は他の予定があるので行けません。
11時頃まで現場にいるから、
なんとか来てくれよ!
ていうか来てくれないと困るんだけど!
他の代理の人でもいいからさ~。
・・・・・??
こんなおかしなことが起こることもあるんですよね。
もう、なんも言えね~!って気持ちになります。
時間的ムチャな依頼の他にも、たくさんムチャな依頼があります。
施工上・品質上のムチャな依頼もあります。
設備機器の場合では、ときどき法令に反した施工を求められるケースもあります。
この施工方法はダメですと言っても、ダメではダメとか言ってくることもあるぐらい。
あげくに、何でダメなのかを追求してくる始末。
これでは話しになりませんね。
ダメはものはダメ!ただそれだけなのに。
丸い物を四角と言いなさい!
1+1=15だよな!
みたいに、もうなにを言ってるか訳が分からない、カオス状態に陥ることもあります。
なにが一番カオスかというと、カオスなことを言っているのに、自分はさも普通なことを言ってると思いこんでいるのが一番カオスなんですけどね。
こんなムチャな依頼に対応すればするほど、どんどん自分の時間はなくなっていきます。
そして他の業務の予定を変更せざる負えなくなり、スケジュールなんてあってないようなもの。
残業や休日出勤は当たり前!
何時だろうが休みだろうが、ムチャな依頼に縛られ続けます。
ムチャな依頼をしてくる相手がいると、プライベートの生活のリズムまで崩されるのは言うまでもありません。
工事予定の工程表はあってないようなもの
建設には必ずといっていいほど工期が決められています。
いつから着工して、いつまでに完成するといった工期があります。
現場ごとに工期を各業者が把握できるようするために、工程表が作られます。
それもそのはず、建設現場には数多くの業種がありその数だけ業者もいます。
その業者が好き勝手に工事を進めるわけにもいきません。
この工程の後にこの業者が工事をして、この業者が工事をしないとあの業者が工事ができない。
それを、まとめたのが工程表になります。
本来なら現場監督が工程表を作成し各業者へ周知さえしていれば、現場はスムーズに完成していきます。
とはいえ、建設現場は人がモノをつくる場所です。
モノつくりにはトラブルが起きたり、決められた日時に完成しないこともあります。
天候や現場地域の環境(交通事情など)によって、工期が伸びることもあります。
現場監督は、トラブルや天候や現場近辺の地域のことも考えながら工程表をつくらなければなりません。
ちゃんと考えてる現場監督なら、工程の変更や細かい微調整を怠らないようにして、各業者への周知連絡をしっかりやっています。
だから工程はしっかりしており、スムーズに現場が完成していくのです。
ただし、工程の変更や細かい微調整を適当にやっている現場監督ならどうなるでしょうか?
言わずもだが、現場は工程通りに進まずトラブルだらけになり、工期がギリギリになったり最悪の場合は工期が伸びることもザラにあります。
工期がギリギリになれば、業者も焦って作業したりと、いい仕事はできません。
思わぬミスやトラブルにつながるだけです。
ひどい現場だと、着工当時に作成した工程表しかないときです。
建設現場は日に日に作業工程が変わるのに、工程表の更新をしないのです。
更新をしないというか、現場監督がいっぱいいっぱいの状態になり、工程表の更新すらできない状況に陥ってしまうのです。
工程表と実際の現場の進捗状況が違うというのは、もはや建設現場では『あるある』といってもいいぐらいになってますね。
実際に、工程表通りに現場に出向いたがまだ工事できない状況だった!
業者は手配と段取りを再度見直して、現場に出向くようにするのです。
今日現場にいきましたが、まだ工事が出来ない状況でした
〇〇の工事の遅れててね~
○○の工事が遅れていることを、各業者へ周知連絡してないのが原因ですよね。
そして、△△日に再度出向いたら、まだ工事が出来ない状況!
どうなってるの?と疑問しかないですよね。
△△日の今日来ましたが、まだ工事が出来ない状況です
○○の工事が思った以上に遅れてて、
工事ができるようになったら連絡するわ!
ある日突然、
もう○○の工事はとっくに終わってるけど、
いつ来れる?
明日、いや今日でも来て工事進めてほしいけど!
・・・・・??
ここまできたら、あっぱれですね!
無責任にもほどあり過ぎます。
工程表が更新されなかったり、いい加減な現場監督が管理すると、こういう結果は目に見えているのです。
業者は定期的に現場に出向いて、他の業者と打合せをして工事の段取りをした方がよっぽど確実に進められます。
こんな現場監督ほど当てにならないことはありません。
そんな現場監督の現場を請け負ったならば、ある意味ハズレくじを引いたと覚悟しなければならないのです。
そんな現場監督の言うことは信用してはいけません。事前に現場確認が必要なのは言うまでもありませんね。
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約束時間は破ってあたりまえ
約束の日時に現場に来たが、打合せを依頼してきた現場監督がいない!
ってことは、建設業界では珍しくない。
約束の時間に現場監督が現場に来ないというのは、もはや当たり前化していると言ってもいい。
5~10分くらいの遅れなら可愛いもの。
ひどい時は30~60分は遅れてくることもザラにある。
もっとひどい時は、約束の時間から30分以上も遅れているのに
ゴメン!今緊急で他の現場対応してるから、
後日にならんかな?
はぁ~、またか!と呆れてなにも言う気になれないこともしばしばある。
こんないい加減なことをしている人に限って、自分がちょっとでも早く約束の時間に現場にきたのなら、
『まだ来ない?何時になる?』
と、まだ約束の時間にもなってないのに電話がかかってくることもあります。
平気で人は待たせるが、1分でも自分が待つのは耐えられないのか?
そして、神様が試練として忍耐力を試しているかのように、お施主さん(お客さん)を交えて打合せする時や現場が完成した後の引渡しが、最も過酷な状況になる時もある。
お施主さん・現場監督・わたしだけでの打合せなら、すぐ打合せが出来てお互い確認し合えますので、かかっても30分程度で打合せは終ります。
早い時だと5~10分で終わることもあります。
一番しんどいのは、お施主さん・現場監督・数社の業者が同時に来ている時です。
普通かどうかわかりませんが、一番早く打合せが終わる業者から打合せを始めることが多いなか、無能な現場監督は一番話しが長くて複雑な打合せが必要な業者から始めることがあるんですよね。
もうそんなんされた時には、2~3時間待ち確定!!
って気分になるんですよね。
実際に2~3時間待ってわたしの打合せは5分もかからず終了!
お施主さんからの一言が、
『これだけのために、わざわざ来てくれたのですか?ずっと待たせてしまい申し訳ないですね』
この、お施主さんの一言で助けられます。
ただ、そのあとの無能な現場監督の一言で一気に地獄に落とされるのです。
『まあそうですけど、彼らもそれが仕事ですからね。待たせておけばいいんですよ!』
お前~!許さんぞ~!そのセリフ!謝れ!って心の底から叫びたくなりますよね。
業者を待たせたりするのは屁とも感じてないのか?
業者を待たせている感覚などそもそもないのか?
それこそ時間差で業者を呼んだり、簡単なことなら監督本人が打合せしてくれてもいいんじゃないのか?
所詮、何時間も待たせておいて何も感じなてない無能な現場監督に、なにを思っても仕方ないのはわかってますけどね。
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そりゃ~下請け業者キレて去っていくわ
ムチャな依頼が多く、工程もメチャメチャ、時間も守らない
そんな状況の現場を担当してたら、下請け業者とはいえキレてしまうこともあるんですよね。
キレるだけならまだしも、その後の取引も辞めてしまい去っていく下請け業者を何人もみてきました。
キレて去っていく業者もいれば、無言で去っていく業者もいます。
究極は、普段よりも倍以上の見積り金額を提出する業者もいます。
倍の金額の見積りを提出すれば、元請けからしたら『えッ?なにかの間違い?』って最初は思うけど、考えてみたらわかるはずです。
倍の金額の見積りを提出するということは、あんたみたいなメチャクチャな監督のもとで仕事するには、これぐらい金額もらわないと割が合わない!
または、
何がいいたいかわかるよね!他の業者当たってくれ!
倍以上の金額にはそんな意味が込められています。
無能な監督は、そんな空気も読めないかもしれませんね。
そうやって、気がつかないうちに大切な業者が日に日に去っていってしますのです。
当然、今までやってくれてた業者が去るということは、建設会社にとってはマイナスです。
新たな業者と取引するには、建設会社のやり方や、人付き合いも一から始めないといけません。
それこそ建設会社の希望する金額で、工事をやってくれないこともあります。
逃した魚はでかい!と、後で嘆いても時すでに遅し!なんです。
・業者の入れ替わりが激しい
・見積りの金額が以前よりも高くなってきた
・電話してもなかなか連絡が取れない
そんなことを感じている建設会社の人、それは紛れもなく業者が去っていく前ぶれでもあり、業者が無言の抵抗をしている時だと感じてください。
現実の話しですので、ほぼ間違いありませんからね。
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そりゃ~辞めたくなるわ!
無能な現場監督が多い建設会社を担当する業者の数は、どんどん減っていくと思います。
いくら下請けとはいえ、いくら大切な取引先とはいえ、いつまでもカオスな状況の建設会社と仕事を進めていくわけにはいかないのです。そんな茶番に付き合っているほどヒマではないのです。
そんな建設会社を担当している業者の人は、本当に日々大変な思いをしていることでしょう。
とはいえ、下請け業者の中でも簡単に担当を変えてくれることもないでしょう。
では、どうしたらいいのか?
答えは3つしかありません!
①ムチャに慣れ、ムチャを楽しむ
②ムチャを改善して自分色に染める
③気持ちが折れて会社辞めたくなる
正直この3つしか道はありません。
①ムチャに慣れ、ムチャを楽しむ
いくらムチャでも時間と共に慣れてしまえば、それはそれで担当者として仕事をしていけるはずです。
ましてや、それを楽しめるなら、あなたは間違いなく変態気質かもしれませんね。
②ムチャを改善して自分色に染める
ムチャな相手を手玉にとり、自分のペースに取り込む。
これはかなりの時間と労力がかかりますが、一度自分のペースに引き込めれば、あとは自分にパターンに当てはめるだけになります。
これができれば、あなたはどんな取引先だろうと上手く担当者としてやっていけること間違いなし!
③気持ちが折れて会社辞めたくなる
ムチャに慣れるわけでもなく、ましてや自分のペースにできるわけでもなく、会社は担当を変えてくれない。
こうなったら、日に日に向上していくどころか、日に日に退化していきマイナスなことしか起きません。
そのマイナスの行き着く場所は、現実逃避がふくらんで、会社を辞めるしか方法がなくなってしまうのです。
会社を辞めるではなく、辞めたくて仕方なくなってきます。
たかだかムチャな依頼をしてくる取引先とはいえ、担当になってみない限りその辛さや悩みは理解できないこともあるのです。
本人にとっては最も深刻な問題なのに、他の人からしたら大した問題ではないように見えてしまうもの。
だから、他の人には絶対に理解できない問題なんですよね。
これも理由に『会社辞めます』というと、
決まって『もう少し頑張ってみろよ!』と言われるのではないでしょうか。
『じゃあ、お前担当してみろよ!』心の中で叫びたくなる。
俺らの時はこうだった、とか、
俺がやっていた時はこういうふうにした、とか、
もうそんなことどうでもいい!
とにかく、あの取引先の担当変えてくれない限り会社辞めてやる~~~。
辞めたくなるひとは、これが本当の気持ちだと思います。
逃げ出してはダメとか、もう少し頑張ってみろと言われても、
逃げ出していいし、これ以上頑張らなくてもいいと思います。
所詮、会社の上司や先輩も本当の辛さや悩みなんて理解してないですから。
ましてや、担当が変わったら、次に担当になる人が犠牲者になるだけなんですよね。
その繰り返しで、会社辞める人が後を絶たない原因かもしれません。
そういう会社は、会社辞める人の理由を本当の意味で理解してないことが多いのです。
でも会社は従業員の辛さや悩みよりも、会社の収益を選択するのです。
だったらあなたも、会社の取引先よりも辛さや悩みで病んでしまう前に、
自分の健康を選択するべきだと思います。
あなたに合った転職先は、探せばいくらでもあります。
今の状況よりもはるかに良い環境の職場もいくらでもあります。
転職先を探すか探さないか、今の辛さや悩みを抱えて会社を辞めるか続けるかは、あなた次第です。
勇気を出して第一歩に踏み出してみよう!!
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まとめ 建設業界のおかしなことに気づく業者の今後はいかに
建設業界はおかしい!!
なにがおかしいかといえば、
ムチャな依頼が多い。
工程が管理されていない。
時間を守らない人が当たり前化している。
下請けがキレて去っていくのも時間の問題。
とはいえ、しっかりと現場管理をして、業者間での工程打合せや連絡周知もちゃんとしている建設会社もたくさんあります。
ここでまとめた建設会社の無能な監督はほんの一例です。
こういった一部の無能な監督がいることにより、健全にしている建設会社へ悪影響を及ぼしていることは事実です。
建設業界に限らず、元請け下請けのそれぞれの立場はフィフティーフィフティー(50:50)でなければなりません。
この比率が偏ると、元請けは下請けに横柄で横暴な言動をするようになってしまいます。
いくら収益が見込める取引先とはいえ、いくら会社の大口な取引先とはいえ、やっていいことと、悪いことの区別はつけなければなりません。
経営者は、従業員である担当者の心身もケアするのは当然だと思います。
建設業界のムチャな横行により、下請けがキレてさっていくと同時に、下請け会社の従業員もキレて会社辞めて去っていってもおかしくないのです。
結論、建設業界は自分がされたことを、自分より立場の下の人に悪行をしてしまうことが多い。
これが無限ループのように、建築業界内で下請け業者の入れ替わりが激しくなり、下請け業者内での従業員の入れ替わりも激しくなる。
いつしか建設業界はこれが通常化しているように感じます。
悪の通常化を止めるのは、フィフティーフィフティー(50:50)の持ちつ持たれつの気持ちを、一人一人が持たなければなりませんね。
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